目次
信用スコアとは
皆さんは「信用スコア」という言葉を聞いた事はありますか？この信用スコアというワードは去年一昨年くらいから聞かれるようになったサービスです。では信用スコアとは何でしょうか？
信用スコアは、家族構成や雇用状況、持ち家かそうでないかなど、その人を取り巻く状況とインターネットでの行動履歴を突き合わせて AIが個人の信用度合いをスコア化するというものです。
信用スコアは現在、中国ではすでに根づきはじめ広く利用されていますが、日本ではここ2〜3年で新たなサービスが次々できている、という状況です。
ビジネスメディア「データのじかん」
簡単に言うと、信用の「見える化」ですね。これまではいろんな情報を提出したり、調査したりする必要がある部分を「数字」で表すという試みです。
中国での成功、日本での失敗
このサービス、中国ではすでに広く実施され成功していると言われています。スコアが高い人はSNSで優先的な位置に置かれたり、ホテルやレンタカー、不動産などでのデポジット（敷金のようなもの）が不要になったりすると言う事です。対してスコアが低い人はレンタサイクルが借りれなかったり、通販サイトで一定額以上の買い物ができなくなるそうです。活用されてますね。
日本でも去年あたりから導入が進んでいます。とはいえ、あまり広く行き渡っているように感じませんし、実際その先駆者であったYahoo!スコアは個人情報の扱いで炎上したこともあってか、2020年8月31日をもってサービス終了しています。他にはLINEスコアもありますが、アプリを開くと「お金借りませんか」の案内しか目につきません。実質金貸しのためにしか活用されておらず、到底成功しているとは言えない状況です。
物流業界での信用スコア
物流業界では、CBcloud（シービークラウド）株式会社が自社のマッチングサービス「PinkGo（ピックゴー）」の中で信用スコア制度を取り入れ、ピックゴースコアという名称でドライバーをスコアリングし活用しています。
その制度が最近変更されて、ドライバーの間で不満や失望が噴出しているようです。法人向けの配送だけではなく、個人向けの買い物代行や個人向けのデリバリーサービスも請けなければ、スコアが伸びないという設定になっているからです。
つまり、ピックゴーが推しているサービスの個人向けの買い物代行や大手デリバリー業務を請けなければ、これまで贔屓にしてもらっている法人お客さまの案件も請けれなくなってしまうというシステムです。これまでも何回かこのようなスコア制度の変更はありましたが、今回が一番ドライバーの不満が噴出しているような気がします。
ピックゴースコアのコンセプト
さて、もともとCBcloud株式会社はどういうコンセプトでこの信用スコアサービス、ピックゴースコアを始めたのでしょうか。
CBcloudは創業時より、ドライバーの価値が正当に評価される仕組みづくりに力を入れています。ドライバーの実績を可視化し、荷主側にも提示することで、高い評価を受けるドライバーがより選ばれやすくなり、満足度の高いサービスが提供できるようになります。この仕組みを通じて世の中の「届ける」仕事の価値が再認識されれば、ドライバーの地位向上や環境改善にも結びつく、CBcloudではそのように考えています。
2020/9/17 PR TIMES より
「高く評価されるパートナーが仕事を得やすい環境を提供」これがコンセプトになっているようです。とてもいいコンセプトですよね。とは言え現状はこれとは裏腹で、荷主さまからの運行評価は満点なのに、ピックゴースコアはどんどん下がっていくという状況が見られているようです。
今後の物流業界での信用スコア
日本の物流業界に衝撃を与えている最先端のサービス、ピックゴー。このアライアンス「デリバーフォース」でも、私が管理運営するフリーランスドライバーのオンラインコミュニティ「フリーランス軽貨物ドライバーズグリッド」でも、その中の多くのドライバーがピックゴーを利用させてもらっています。かく言う私も利用させていただき3年半になります。
今後、フリーランスのドライバーはさらに増えていくことが予想されます（これまでも軽貨物業界には業務委託という形での個人事業主ドライバーが数多くいたけど）。安定しそしてフレキシブルに対応できる強固なインフラとして軽貨物業界が多重請負に悩まされることなく健全に成長していくためには、信用スコア、そしてブロックチェーンの技術は非常に役立つと考えています。
CBcloud株式会社の推し進める信用スコア「ピックゴースコア」。自社のプラットフォームでドライバーを競わせ、人気の無い案件を無理やりやらせる手段にするのではなく、是非もっと広い観点で、セルフマネジメントできる優良ドライバーを日本中に育てるスコアリングシステムにしてもらいたいと願っていつつ、今日もハンドルを握ります。